終わりと始まり その2 [切り抜き]
ホモ・エックスとの共生 その2
ホモ・エックスって何だろう。中盤ではその正体が明かされる。よみすすめて見よう。
ホモ・サピエンスという種の特徴は環境を自分で整えることで、この手法によって我々は地上で大躍進を遂げ、すべての生物の上に君臨している(あいつらはずるいという怨嗟の声が自然界のあちこちから聞こえてくる)。そしてホモ・エックスもまた自分に有利なように環境を変える力を備えている。
いちばん大きな問題は、彼らと我々では倫理が異なるということだ。
そろそろ正体を明かそうか。
ホモ・エックスとは法人、もっと簡単に言えば営利を目的としる株式会社の類いだ。
我々個人は生まれて育ち、幸福に暮らして、子孫を残して、寿命を全うすることを生きる原理としている。例外は多々あるだろうが基本はそういうことだ。
法人は株主から資金を集めて設立され、育って何らかの社会的事業をなして利益を生み、それを株主に配当として払うことを目的としている。
個人は国家に属するが、最近では法人は自在に国境を越えるようになった。製造業で言えば、人件費が安く、土地が安く、公害対策がずさんで、法人税率の低いところへ移動する動きが目立つ。
国としては逃げらては困るから、雇用のルールを緩めて不況の時に解雇しやすいようにし、精いっぱいインフラを整備し、安い電力を供給して引き留める。どれもコストがかかることで、そのコストを最終的に負担するのは個人である。ホモ・サピエンスとホモ・エックスの共生がだんだん片利的になってきている。
彼らはそいういう方向へ進化している。自分たちで環境を変えて。
(つづく)
あさの笹井宏之1首
ふわふわを、つかんだことのかなしみの あれはおそらくしあわせでした。
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